それは最も優しく 最も残酷な罪




それは最も白く 最も黒い心




それは最も天使に近く 最も悪魔に近い




その名で呼ばれていいのはこの世界にただ一人




誰からも愛され、誰からも憎まれるべき存在




彼女の名前は














Evilness named innocence














「お前たちの新たな兄弟だ」


結構前のこと。正確な日付なんて覚えてないよ、どうでもいいからね。

ある日突然”お父様”がそう言って、僕達の前に連れてきた彼女の名前は

僕達と同じウロボロスの刺青を持つ6人目の人造人間(ホムンクルス)

ふわふわの黒い髪に紫色の大きな目。肌は真っ白で、服は僕たちと同じで黒尽め。だけど、中に何かはいてるのか、やけにふわっとしたワンピースを着たは、人間で言えば15〜16歳のまんま可愛い女の子って感じだった。



”お父様”が言うにはが子供の姿をしてるのには意味があるらしい。


それはの罪が無邪気(イノセンス)だから。

僕は最初その意味がよく分からなかった。

だけど、と一緒にいるうちに嫌でも思い知る事になった。

には全く悪意が無い。彼女はただ純粋に自分のしたいことをしてるだけ。

誰かを殺すのも、傷つけるのも、からかうのも、全部彼女にとってただの遊び。

つまり、無邪気な子供そのものだ。

ああ、確かに人間にとっては一番タチが悪いかもしれないね。








そんなだけど、僕たちの中ではかなり可愛がられてる。

もちろん彼女もそれを分かってるから皆になついたし、僕だって大事にしてるつもりだ。

けど、ひとつ気になる事があるんだよね、それはが僕たちを呼ぶときのそれぞれの呼び方。

これも結構前のこと、暇だった僕はを観察した事があった。



「ラスト姉様」

「なぁに?


「グリード兄様」

「おぅ、なんだ?


「ラース兄様」

「うむ、何用か?



は僕たちのことを兄弟だと思ってる。だから兄様とか姉様とか呼んでるみたいだけど、僕とグラトニーだけはなぜか呼び捨て。

ねぇ、もしかして見た目で判断してない?


「僕一応ラースより上なんだけど」

て、本人に言ってみたら

「関係ないよ、エンヴィーはエンヴィーだもん」

って返された。なんだよそれ。


それをラストに言ってみたら、

「別にいいじゃない、あの子は子供の姿をしてる分、見た目の年が近そうなあなたに一番なついてるのよ」

だってさ。

見た目の年ね。確かに人造人間(ホムンクルス)に年は関係ないけどさ。



けどまあ、一番懐かれてるって言うのに悪い気はしないかもしれない。

僕は僕なりにの事気に入ってるしね。何より可愛いと思うし。

優越感って言うの?こういうの。

そんなわけで、僕は気付けばいつもと一緒だった。








生まれたばっかりのに新しい事を教えるのはいつも僕。

これはいつのことだったかな。




僕とはいつも通り”遊び”に出かけた。

というか、が遊びたがってただけなんだけど。



「今日はどのおもちゃで遊ぼうか?」


屋根の上から、は歩いてる人間を選んでる。

そう、彼女にとって人間は全部人形(おもちゃ)だった。



「あ、あの子にしよう。エンヴィー行って来ていい?」

「あんま待たせないでよ?」

「うん、すぐ帰ってくる」

そう言うとは早速走っていった。僕はただそれを見てる。


「お兄さん、私と遊んで」

はにっこりと笑って、目当ての人間に話し掛ける。いつものことだけど、彼女が選ぶのは何故か決まって男だった。まあ、そっちのがひっかかりやすいんだろうけど。

案の定、そいつはの手を引いて人のいない薄暗い裏路地の方へ入っていく。馬鹿な奴。僕は鼻で笑った。



すぐにそいつの悲鳴が聞こえてきた。ああ、の”人形遊び”が始まった。


彼女の能力は僕たちの中でもちょっと変わってる。

は人間の影の中に自由に入り込む事が出来る。そうするとどういうわけか、入られた方の人間は彼女の好きなように動かせるらしい。

はそれで楽しんでるみたいだけど、やられてる人間は相当苦しいみたいだね。まあ、僕には関係ないけど。

そのうちあきるとは影の中から出てくる。もちろん、あの男はほとんど死にかけてる。



「遊んでくれてありがとう、バイバイお兄さん」

当然トドメを刺すのも彼女の役目で、はいつもその瞬間最も楽しそうに笑う。


その日はなんだかやけにの横顔が艶かしく見えて、僕は一瞬ぞくりとした。

そのせいかなんだか、よくわかんないけど、気付いたら僕がその男を殺してた。

「エンヴィーの意地悪!!」

そしたら、が泣き出した。やだなあ、泣かすつもりは無かったんだけど。なんとなくあの表情を向けられたこの男に腹が立っただけなんだよね。

「ごめんって」

「やだっ!!エンヴィーなんか嫌い!!」

僕が謝ってもは全く泣き止まない。ずっと泣かれるのもイラつくし、色々考えてるうちに僕はいいことを考え付いた。


「ねぇ、。じゃあ僕が変わりにもっと楽しい遊びを教えてあげるよ」

「・・・・本当?」

ほらね、はすぐに泣き止んだ。

「うん、本当」

僕は口の端を吊り上げて、の唇にキスをした。彼女はちょっと驚いてたみたいだけど、僕が彼女の口の中で舌を動かすうち気持ちよくなってうっとりと目を細めた。


「・・・遊びってコレ?」

僕が唇を話すとは嬉しそうに聞いてきた。

無邪気な彼女の好きなものは、楽しい事、気持ちいい事。

「ううん、もっと楽しくて気持ちイイ遊び」

僕が笑うと、は満面の笑顔になって抱きついてきた。

「じゃあ、今度はエンヴィーが一緒に遊んで」

僕もを抱きしめた。



そうだね、二人で遊ぼうか。



今までよりもずっと楽しくて気持ちいい遊びで。



無邪気な君に教えてあげるよ、もっともっと色々な事。



そうしたら、真っ白な君はどう変わるかな?







END









あとがきという名の言い訳

突発物につき激短ですね、しかもオチてない(苦笑)
アンケートの増えて欲しい夢でエンヴィーが圧倒的に多かったので書いてみましたが・・・・微妙;果たして夢と言うのかコレは;;;;

タイトルは無邪気なる邪気とかそんな感じですが、副題は間違いなく『僕の彼女紹介します』ですな(笑)
とりあえず子供に妙な事を教えてはいけません。